Uncle Tの決断

50歳を目前に、いまの会社員としての生活に終止符を打つことを宣言。起業なのか、転職なのか、引退なのか?人生の岐路を語る日記です。

起業のハードルって高いですね。

先日前の会社の後輩から、バイリンガルで、すごくガッツがある女性を御社で雇いませんか」というメールがきました。職種の経験は無い分、若さと気合でカバーできるとのこと。

 

ほとんどの外資系では、職種経験が無い場合はどうしても即戦力採用がむつかしいので、「そんなに冒険心があるなら起業を奨めれば?」と返答しました。

 

後日飲みに行った際、そのことを聞くと、「起業するタイプではないと言われました」とのこと。それを聞いて、とても不可解で残念な気持ちになりました。

 

いまの若年会社員は、いくら卓越したスキルや高い士気があっても、それは「会社員」という枠内で使うことが前提で、会社を飛び出して好きなビジネスを追求する発想はないようです。

 

先般リンダ・グラットン著「100年時代の人生戦略」という本を読みましたが、それによると、これからの若年層は放浪や起業など様々なチャレンジをしたうえで、その体験を通じて自分の真の適性を判断し、その後企業に勤めるなり進路を決めるのが当たり前になると書いてありました。

 

考え方はごもっともですが、ここに関してはどうも日本と欧米における意識の差がでます。前述した若い女性の例もそうでしょうけど、日本の独特なコミュニティイズムとさりげない虚栄心が、起業や放浪に代表されるようなチャレンジ精神を阻んでいます。特に将来が有望視されるような人材については、「レール」を外れることの恐怖心を幼少のころから植えつけられ、結局は「会社」という枠内でしか考えられなくなるのではないでしょうか。

 

産業構造の転換が叫ばれる中、このように社会の既定路線が明確且つ強固である以上、なかなかアメリカがシリコンバレーを生んだような革新的な変換は日本には訪れにくいでしょう

 

不思議なことに、同じようなことを提唱しているホリエモン氏の書籍は割りと広く読まれているにもかかわらず、ほんの一握りの人しか実際にアクションを起こしていませんね。

 

年齢的に、自分にとっての「起業」は「経済的・精神的自由」や「体制へのアンチテーゼ」的な意味合いがどうしても濃くなりますが、いまの若年層にはそれよりも大きな成長ポテンシャルや、社会の構造転換という壮大な意義が加わりますので、ぜひ応援したいものです。