「出世」の意義について考えさせられました。
先日ある広告代理店のプレゼンテーションで、最近の若年層はいわゆる「出世」に興味が薄く、大企業に入社してもその会社の幹部や経営者になりたいと思っている人が以前に比べ極端に少なくなっているという統計を見せられました。
集団主義から個人主義へと徐々に価値観が移行しつつある我が国においては当然といえば当然ですし、そのような「美学」にかっこよさを見出す若い方も多くいるでしょう。
しかし、この見方は果たして正しいと言えるのでしょうか。
「出世」には、小説やテレビで描写されるようなゲーム的要素以外に絶対的に必要な資質があります。それは、卓越した業務遂行能力です。外資系では「コンピテンシー」とも呼びます。どのような組織であれ、単純にいえば仕事ができる人間は出世するというシステムになっているはずです。
それなのに、若い人たちが「出世に興味がない」というのは、極論すれば、出世に必要である経験や能力を養う行為自体を否定してしまいませんか。これは将来的におおきなリスクを孕んでいますね。
民間企業は貴重な職務経験を蓄積できる学びの場所でもあるので、ぜひ若い方々には正しい志をもっていただきたいですね。